令和5年春のスギ花粉予報

 花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。

 2022年の夏(6月〜8月)は梅雨前線の活動が弱く、特に6月の降水量は西日本の太平洋側でかなり少なく、日照時間は東日本の日本海側と西日本の太平洋側でかなり多くなりました。また、6月後半から7月上旬にかけて太平洋高気圧が強まり、東・西日本を中心に晴れてかなりの高温となりました。そのため、6月に「高温・多照・少雨」となり、スギの花芽形成に好条件となりました。さらに、2021年〜2022年に花粉飛散量が少なかった地域が多く、スギの木に花芽を形成させるエネルギーが蓄えられていたため、より一層、スギの花芽形成が促進されたと考えられます。

 静岡県では、平成16年から平成25年までの10年間、県内全域の雄花の着花指数の平均値を100とすると、令和5年春のスギ花粉の発生は、相対値が160となり花粉の発生度は「多い」と判定されました。花粉の本格的な飛散開始時期は1〜2月の気温に影響されますが、2月中旬頃からとなる見込みです。

花粉発生度

注)調査は雄花の開花する前年に実施。


雄花着花指数の経年変化


<新型コロナウイルス感染症流行中の花粉対策について>

 新型コロナウイルス感染症はオミクロン株が大流行しているなか、もうすぐ花粉症シーズンが始まります。オミクロン株に感染した場合の症状は、鼻水が73%、くしゃみが60%で、従来株に比べ嗅覚障害や発熱が少ないことが報告されています。また、オミクロン株感染の過半数で倦怠感を自覚しますが、花粉症でも半数近くの方に倦怠感の自覚症状があります。
  • 鼻水、くしゃみ、鼻づまり、嗅覚障害、倦怠感といった花粉症の症状は、新型コロナウイルス感染症、特にオミクロン株と共通の症状です。花粉症の症状があると、ご自身がウイルスに感染しているかわかりにくくなってしまいます。
  • くしゃみ1回で発生する飛沫の量は、咳の10倍以上!花粉症の症状にウイルスの感染が加わると、周りへ感染を拡大してしまう危険があります。
  • 花粉症では、目や鼻のかゆみも出ます。ウイルスがついた手で目や鼻をこすると、粘膜を介してウイルスに感染するリスクがあります。
 当院では、患者さんの症状やご要望に応じた花粉のオーダーメイドな治療を提供しています。ご自身と周りの大切な方を守るためにも、花粉症が本格化する前に当院にご相談ください。

                

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