良性発作性頭位めまい症の治療と予防


1.症状

 「仰向けに寝たら天井が回った」、「寝返りを打ったらグラグラ揺れる感じがした」、「じっと寝ていたらすぐに治まったが,起きたらまた回った」、そんな症状を繰り返すのが良性発作性頭位めまい症です。時には吐き気を伴い、救急車で病院を受診する方も少なくありません。

2.原因

 内耳の一部である三半規管の中に、「耳石」というカルシウムの粒がたまることです。頭を傾けるとその石が動いて、数秒から数分間の回転性めまいを繰り返します。石がたまる原因としては、頭部外傷による衝撃など明らかな場合もありますが、半数以上のケースで原因不明です。高齢者や女性の方がなりやすく運動不足や加齢による退行変性(カルシウム不足)やホルモンの影響などが関与しているといわれています。

                    

3.診断

 CCDカメラにて、「眼振」といって特徴的な眼球の動きを観察して診断します。但し、めまい発作中は病院に来られないことも多く、めまいが消失した時期に受診して何回か受診しなければ診断がつかない場合や、問診だけで診断をくださなければならない場合もあります。

4.治療

 めまい発作時は内服薬も処方しますが、唯一の治療法は運動療法です。多くの場合は、個人で「ラジオ体操」のような色々な方向に頭を動かすことで、三半規管から耳石を追い出すことができます。また症状が改善した後も体操を続けることで、再発を予防できます。少し高めの枕にすることで発症を予防できる場合もあるので、低めの方は枕を高めに替えてみるのも良いでしょう。

                

 めまいが改善しない場合は、めまいを改善する頭位治療を検討します。三半規管の3つの管のどこに入っているかで、行う頭位治療は異なりますので、診察を受けた後医師の指導に従って行います。次のURLを参考にしてください。

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_591.html



 耳石の位置が特定されない場合でもできる、めまい体操もあります。

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_592.html




        

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